隣人と和解せよ
あまり解説するようなもんでもないだろと思ってるのですがイマジナリー隣人に解説せよと言われたので適当な塩梅でやります。「隣人と和解せよ」の雑談だか解説だか記事です。
解説
まず大前提として各エンディングに全く繋がりはありません。おおよそ「あなた」と「ニア」は別人です。すなわちオープニングを共通する掌編集みたいなものです。
あらすじ(あなたの選んだ選択肢によってニアとの関係性が決定します)で伝わるだろと過信してたんですけど、んなことなかったぽいですね。ごめん。
タイトル
「神と和解せよ」と「隣人を愛せ」のフレーズを同列で連想させたかっただけタイトルです。
すなわち、この場合の「隣人」とは近所の住民等ではなく「他者」程度の広い認識でOKです。
元来は「ニア」の「NEAR」解釈による派生なんですけど、まあ大体は「隣に居る人」みたいな意味合いかな。
ちなみにタイトル単独で考えるなら「和解」より「理解」の方が適切だと思います。が、和解が必要、つまり現時点の関係性においては歪があるという暗示にもなっているので、まあ。
診断画面
なんかノリでカルテ風バックログを作ったのでノリで診断スタイルにした。
BGMは「瞑想のピアノ」。タイトル画面の次に頻繁に聞くはずの曲であるぶん悩ましく、いくつか他にも候補曲は上がってたのですが、この曲が最もしっくりくると感じたので。
もっと選択肢を増やして複雑にして沢山お喋りできる方がコミュニケーションADVとしては正しいと思うのですが、この分岐を作る作業を最後に回したばかりに上手い分岐を考える時間が足りず、かなり簡易的になりました。
あまり複雑になってもエンディングに辿り着きにくくなりプレイヤー側にストレスを与えてしまう可能性があるので、まあ一長一短ということで。
END1 大人と子供
正規トゥルーエンドをイメージしたエンディング。別にトゥルーエンドという訳ではないけど。
BGMは「庭園の東」「intrude」「懐景」。もりもり。
クレジット付近で流れる「懐景」はタイトル画面で流れているピアノ曲のオリジナル版です。
「intrude」は当初END7で流す想定をしていたのですが、ぜーんぜん違う雰囲気のエンディングになったのでEND1に流れてきました。
このエンディングでのみニア視点で語られます。
その代わりに「あなた」視点の心情は殆ど語られないのですが、そこは自由に補っていただければ。
最後のシーンにはボイスを付けようかと用意した音声もあったのですが、やっぱりニアの声は各自で想像していただいた方がいいかなと正規実装はしませんでした。
ただ、その際にボイスのファイル名を「mydear」にしていた名残で、END7と対にする形でエンド名が変更、決定。
最初期はシンプルに「NIA」でした(そしてEND7が「NEAR」)。やたらEND1でニアが「ない」と繰り返していたのは「NAI」が「NIA」になるという話だったからです。
END2 先生と生徒
BGMは「透明な激情」。ひたすらBGMを探している最中に耳に留まって、長らく使用検討しながら何度もループしていたのですが、この最後に書いたエンディングで最後の最後に追加しました。
ハッピーエンドとしてイメージしたエンディング。思ってたより視点ハッピー度は下がってしまった。
ニアからの親愛度はEND1と殆ど同じイメージなのですが、ニアが声を出すことを選んだルートがEND1ならば、こちらは声を出さないことを選んだルートです。
視点ハッピー度は下がりましたがニアの思考を理解できればハッピーエンド同然なエンディングです。
END3 医者と患者
BGMは「庭園の東」。どこか冷たさのある曲なので、END1の雪シーンにも使ってました。
当初はノーマルハッピーエンドとしてイメージしていたのですが、気付いたら片脚になっていた為にノーマルエンドになりました。っかしーな。
因みに魔女とか人魚姫とか言ってるけど、二人の性別を限定する意図はありません。あくまで例えです。
セーブタイトルは皮肉。
END4 生者と死者
BGMは「病棟の眺め」。タイトル的にはEND3向きだけど、この曲を聞きながら思い浮かんだ情景をそのままエンディングにしたので。
わりと露骨なバッドエンドです。第三者の会話が入る唯一のエンド。
END5も結構同様ですが名前を呼ばれることが呪縛で重圧になっています。そうなってしまうともうだめだよね、という話です。
最初に書いたエンディングです。このエンディングをEND4に配置する為にエンディングが7種になりました。
なおエンディングタイトルが「口無」ではなく「梔子」なのは元々ニアの名前は梔子(ガーデニア)に由来してたからです。
END5 加害者と被害者
BGMは「病棟の眺め」。バッドエンドは共通BGMでした。
監禁。それ以前の関係性は自由想像で。
そんなに詳しく描写せんでも表情だけで伝わるかなって意図的に色々と省いてます。
「ここで名前を呼ぶ必要ある?」ということを訝しんでもらえたらバッドエンドが回避できます。実際そう感じてくださった方もいらしたので安心しました。
END6 養親と養子
BGMは「around circle」。初めて聞いた瞬間に一耳惚れして、今回このシーンで使えるのでは? と思ったので嬉々として使わせていただきました。
メリーバッドエンドをイメージ。でも個人的にはハッピーエンドに分類してもいいんじゃ、だめ? だよなあ。
ニアの心情がEND7の次に分かりにくいエンディングだと思います、が、「あなた」のニアに対する態度が決して悪い物ではないことから色々と想像してもらえたらなって。
既に壊れてしまった人間を、正しき愛は救えるか?
でも現在進行形で自分を殺そうとしてる相手を「いじらしい」と評す人間の愛情が本当に正常かどうかは各自の判断次第だと思います……?
END7 創造者と被造物
生まれて初めてシェルターの扉を開く。
それでも世界は続いていた。
BGMはタイトル画面と同じ「懐景」のピアノアレンジ。
裏トゥルーエンドをイメージしたエンディング。このエンディングでのみ、メニューが表示されずクレジットもスキップできません。
END1とは対にニアの心情が限りなく描写されないエンディングです。先に見ているエンディングによって印象が変わるかも、どうかな。
ノート前半はニアに読まれることを意識して書いているので意図的にセーブされていますが激重感情ルートです。意味が分かると最も重い一文は「もっとも私は探そうともしなかったが」です。選ばれたのは人類ではなく君でした。
仕様上セーブは出来ないはずですが一応設定されているセーブタイトルは「ハローワールド」でした。
ENDN あなたとニア
突如切断される画面、キーボードの上を見ると寝転がった猫。
こちらの事情など知ったことかと、彼は気ままに昼寝を始めた。
――『きっとボクは猫には成れない』『あんなふうに自由には生きられない』
なるほど、あの子では確かに、こんなふうには生きられないだろう。
バッジの実装予定はなかったのですが突然9/29に演出案が下りてきたので追加アプデで実装しました。
時臣くんも隣人と助け合い猫とは和解しなさいって言ってたしさ。
あなたの物語は一度きりなので二度目はないです。
蛇足
ちなみにTRPG「永い後日談のネクロニカ」のあるセッションで使用したドールをモデルとして話によって設定を足したり変えたりしたのが今作のニアでした。タイトルの猫は原典ニアが【小さなアンデッド】として子猫を連れ歩いてた名残です。たぶん恐らくEND1では家で飼われてます。