ほの暮しの庭の感想
目次
ほの暮しの庭
ネタバレなし感想
お誘いイベントの発生条件
ネタバレあり感想
ほの暮しの庭
ゲーム紹介
記憶もなく山の中を彷徨っていた幼い主人公は、ある小さな村で保護された。
そこで荒れ果てた庭付き一軒家を貰って、新たな生活を送ることになる。
しかし、その村には奇妙な掟があった。
日本一ソフトウェアのTEAM夜廻が制作した生活シミュレーションゲームだ。
未だ田舎の原風景が残る村で、住民と交流したり作物や家畜を育てたり魚を釣ったり鉱石を掘ったり。
いわゆる牧場経営ゲームである。もはや家業より見た覚えがあるジャンルだ。あくまで作中では「庭」だが。
ただし舞台は明らかな因習村である。
八の掟が書かれた契約書
あくまで本作は夜廻シリーズではないはずだが、その一方でホラーゲームである夜廻シリーズとの類似性が強く見受けられる。
そして公式サイトを見れば怪異が出てくるのも明らかだ。ただし怖いことが起きない「あんしん暮しモード」もある。
こちらのモードにはまだ触れていないが「ほの暮しモード」をプレイした感覚で言えば、この謳い文句に裏切りはないだろう。
しかし仄かでもホラー耐性があるなら絶対に「ほの暮しモード」の方がオススメだ。
ほの暮しモードでは望まずとも深夜探索が必須になる
なお、本作では犬と猫は死なないことが明言されているが、既に死んでいる犬や猫はいる。
逆に言えば犬と猫が不老不死の激ヤバ村ではない。
…………
ちなみに本作で恐らく一番ヤバイ要素は未就学児による自家醸造の酒税法違反だと思う。
いや本当に誰も止めなかったのか?
ネタバレなし感想
メインシナリオが次の日を遊ばせる
ぽこぽけでも感じたことだが、ほのぼのシミュレーション系に不穏なシナリオを足すと「翌日」に進ませる為のフックになって、そして物語を進める間に各キャラへの愛着が湧くので、かなり相性が良いように思える。
そのぶんシナリオを終えた後は物足りなさを感じる所もあるが。
いったい彼は何を見たのか
フィールドグラフィックが良い
本当に良い。特に屋内の作り込みが最高。
その代償に定期的に道が分からなくなるが地図機能がガチで便利なので秒で開く癖が付いた。
ちなみにキャラメイクでは細かく髪色の調整ができるが、実際にフィールドを歩くとライティングの影響を受けて大きく印象が変わる可能性がある。
私はプリセットの黄緑にしたが正直かなり良かった
BGMも良い
私はこの最高メインテーマに惚れてサントラが付く限定版を予約した。
村でのフィールドBGMは季節時間天気の組み合わせで変わるので飽きが来ないし、起きた瞬間に今日の天候を感じられるのも良かった。
過去の会話ログが確認できる
イベントも日常会話も含めてバックログ機能がある。生活シミュレーションゲームでバックログ機能がある。
なんと!!バックログ機能が!!あるのだ!!
うっかり読み飛ばした時や再確認したい時に非常に便利である。
ただし特定のイベント中にはバックログに記録されない文章もある。しかしバックログ機能があるだけで偉いので大目に見よう。
各季節は28日まで
いつもの調子で30日まであると思い込んで種を植えてたら季節が変わって愕然とした。
つまり毎月が月曜で始まり日曜で終わる。そのため週単位で切り替わる依頼等の更新日は分かりやすい。
ちなみに主人公の誕生日設定はないので29日以降が誕生日の人だけが悲しむことはない。
季節の祭事は少ない
正直これは物足りなさを感じる。とはいえ小さい村として考えたら多いのかもしれないが。しかしゲーム的に考えると物足りない。
なおメインシナリオの進捗次第では祭事が潰れることもある。
料理は難易度が高い
基本的にカカオからチョコを作るような難易度をしてる。しかもカカオから育てる所から始める。
つまり調味料を用意する段階でも作物を自分で育てて機械を用意して加工する所からやらなければならない。
店で買える調味料はカレー粉とコンソメだけである。もっと品を揃えて。
しかも難易度に対して出荷額が決して高くない。というか殆どは原価より低くなる。
簡単に作れるゆで卵こそ体力回復アイテムとして重宝されるが、それ以外の殆どはインテリアと図鑑埋め要素と化している。
まず七面鳥の肉を得る為に七面鳥を育てる所から始めます
釣りと狩りは楽しい
特に釣りは序盤の金策になる。時間が余った時の暇潰しにも良い。
ただし冬の石切場はゴミわよ。
なお狩りで相手する大型獣は深夜に徘徊する怪異より圧倒的に強く、なんなら怪異に負けるより鹿相手に負ける確率の方が高いと思われる。
弓と罠、好きな手段を選べるのも上手く出来たシステムである。
ホラーレベルは夜廻初心者向け
ジャンプスケアこそ未だにびっくりするが、過去の夜廻シリーズと比べたらホラー演出は控えめだ。
仮に体力がなくなって倒れても特にデメリットはないので、慣れてくれば平然と怪異の間を走り抜けて深夜徘徊するようになる。
メインシナリオのアクション要素も難易度はそこまで高くない。あらかじめ体力を上げていれば回復アイテムなしで初見クリアできるレベルだ。
これは普通に怖かった
キャラクターへの好感度は次第に上がっていく
最初こそ会話すらしてくれないが、進めていくと日常会話の種類がかなり多いことに気付くはずだ。
恐らく大体の人が序盤で最もムカつくだろうコンノもちゃんとバランスの良いキャラ造形がされている。
もちろん他のキャラもシナリオを進めていくほど愛着が湧くはずだ。
こんなに微笑ましいシーンもある
不具合
そこかしこで結構な不具合が起きている。
序盤の不具合に対応したアップデートパッチは出ているが、未修正のバグもまだ多くありそうだ。
真の意味で安心して遊びたいなら少しだけ待った方がいいかもしれない。ちなみに私の環境でも起きてる。
お誘いイベントの発生条件
プレゼントのお返し
突然の攻略だが詳しく書いてる人が見付からなかったので自分で確認した範囲で置いておきます。
あくまで超個人的に検証した結論なので間違っている可能性がございます。ご了承ください。
好感度に応じて貰えるレシピは時期さえ来れば会話するだけなので単純なのですが、それとは別に夕食に誘われて一緒に食事をして貰えるレシピの方は少し条件がありそうだったので。
というのも恐らく、その週にプレゼントを二回あげていることが発生条件となっています。
※もしかしたらプレゼント一回でも発生するかもしれませんが自分では確認できていません。
この吹き出しマークの横のプレゼントマークが完全に白になっていれば条件を満たしている状態です
そのため会話だけで好感度を上げていると、そもそもこのようなイベントがあることにも気付けないかもしれません。
しかも条件を満たした上でも確定発生ではなくランダム発生です。
二回プレゼント済の状態で、その日の初めての会話の時に確率でイベントが起こる形になっています。
また、私は好感度上限の上で回収したので詳しくは分かりませんが、こちらも会話の内容的に好感度の段階に応じて発生しているとは思います。
プレゼントのお返しということで発生するイベントなんですね
プレゼント回数の上限は月曜日に切り替わるので、確実に起こしたいなら月曜火曜でプレゼントを渡して、そのあとお誘いイベントが起こるまで早朝凸リセマラをしましょう。
会話より先にプレゼントを渡せば、最速で二回プレゼント済の条件を満たせる火曜日から誘われる可能性があります。
プレゼントは渡せさえすれば何でも問題ありません。
なお、最終段階のイベントではレシピは貰えません。
あとチナナのイベントを見る時には家に木の食卓を置いておかない方がいいかも。
ワンクッション
ここから先は夜廻シリーズのネタバレも含めた感想になります。
なおメインシナリオのエンディングを見終えた時点でプレイ時間は約70時間でした。
やたら猿がでかい
ネタバレあり感想
きみはひとりじゃない
そういうことも出来るならよぉ!!もっと夜廻シリーズの幼女先輩にも優しくしろよぉ!!ずるいぞ!!
コダマさんもそうだそうだと言っています
でもそのおかげで本当に面白かったです。なんなら発売前からキレてたのに。
途中でこれちゃんとハッピーエンドになるんじゃないか?というか前情報の方がミスリードじゃないか?ということを察してから爆速で面白くなっていった。
やっぱりさァ、人間って生き続けてると、正面から面白さを感じる為に「信頼」が必要になってくるからさァ!
個人的に夜廻シリーズというか特に深夜廻にはメタ要素を含めてマジで構成が上手いなと感服していたのですが、それはそれとして特に無印の幼女と犬に厳しい悪意あるシステムが本当に嫌で大嫌いなので、そんな夜廻スタッフが生活シミュで少年少女をいじめるのが許せなくてェ。
ちゃんとプレイしてキレようと思って予約して買ったのにマジで面白かったので悔しいよ。
そうは言っても最後まで理には逆らえなかった
夜廻シリーズ特有の押したくない操作ボタンが、本作では神であるが故の理に縛られた主人公の機能になってたのも面白かったです。
ちなみに我々はゲームの購入という対価を先払いしてるので主人公に操作という名の命令ができるんですね♡って思ってました。
ここすき
ほの暮しの庭では夜廻シリーズとの明確な違いとして、ちゃんと覚悟を決めた大人がいたのが良かったです。
そもそも夜廻シリーズは頼れる人間がいなすぎ問題なんだけど。
メインシナリオの道中でも、初めて知らない場所に行く時にひとりじゃないことが本当に嬉しかったです。
やっぱり深夜の怖さって孤独感との隣り合わせなんだなあ。
決して頼りになる大人ではなくとも
神殺しの瞬間さえ一緒に
諸悪の根源
やっぱりイザナギってサイテー!
イザナギが悪いよイザナギが
なーんで村で死んだわけでもないナゴさんの猫がここにいるんじゃいと思ってたんですけど、そもそも本当にあの世とこの世の境界にある危険な土地なので幽霊の溜まり場になってたんですね。
じゃあ土地神くん悪く……なくはないけどイザナギの方が悪いじゃん。うんうんそれはイザナギが悪いね。アイツほんとに口だけ男なんだよな。ペッ!
そこでイザナギの命はその桃の實に、「お前がわたしを助けたように、この葦原あしはらの中の國に生活している多くの人間たちが苦しい目にあつて苦しむ時に助けてくれ」と仰せになつてオホカムヅミの命という名を下さいました。
『古事記』太安万侶,稗田阿礼,武田祐吉訳
そして原文とは言葉が違っている。助けてくれと見張ってくれ。
ところで紛失図書を集め切った後のナゴさんの言い回し的にも、彼ヶ津村に名前を分け与えたというヅ主も恐らくは古事記などに出てくる神様の一柱のように思えますが。
私は古事記を神とて飢えれば死ぬねん論の為にしか読んでないのでカグツチしか連想できなかったけど、どうなんだろう。
主人公は第三の神様ではなくヅ主の半身だった
この見た目で「我に言うことを聞かせたいなら血を捧げろ」でも「理で縛られているから言うことを聞くしかない」でもなく「ウオオオ人間が我の為に血を流した!!ならばその覚悟に必ず報いようぞ!!がんばる!!」なの、あまりにも善性の神様なんだよなあ。
あと神器はヅ主から与えられた物なので、その半身である主人公が最終的に所持する形になっても、ちゃんと元の持ち主に戻ったことになるのが美しかった。
そういえばペットになる白い犬も神の遣いなのかなって思ってたけど、別にそんな描写はなかったな。
キスケ
さすがに単独項目で書かせていただいても?
というかキスケさんについて書きたいことがありすぎたのでブログに来たんですよ。
えっ
(絶句)
いッくらなんでもかっこよすぎるが!?
オープニングでキスケさんが主人公の姿を知ってた時点で身内の線を疑って……公式の描き下ろし絵で髪色が完全に同じなのを見て確信して……お兄ちゃんだと思ってて……でもお兄ちゃんだけどお兄ちゃんじゃなくて……。
そうは言ってもキスケさんはコダマが戻ってきた方が嬉しいよねって思ってたのに片目という対価を払って黄泉の国まで迎えに来てくれたんですか?
その神様があまりに人間だったから
すみません前にも言いましたが吾って巨大な因縁や責任や運命にただの愛情にも執着にも満たない凡百な愛着が勝つのが大好き奴なんですけどぉ!
自分の為に代わりに死んだ実の弟妹の肉体を貰った幼い神様に疑似家族の感情を抱いてしまった男、あまりにもあんまりすぎる。
そして選択の先に未来がある
ちなみに私はタイトル回収もあって正規エンディングを感じたので左エンドを選んだのですが、それはそれとして右エンドも存在するのが良いよね。
ところで全く関係ない話ですが私は羂索とモモンガが好きです。
どこにもいかないで
このカラッとした兄貴分から繰り出される高湿度な本音のギャップでどうにかされちまうんだ。
キスケさんは全て知っているので、そんなふうに懇願せずとも対価を払ってお願いすればいいのに、そうはしないんだよな。
あくまで主人公を尊重するからこそ人間として願ってしまう。
……でも改めて考えたら風呂と飯と寝床を与えた上で零してしまった願いって……。
とはいえ右エンドから窺える主人公の神格とは思えない善性を見るに、そもそも主人公にとって大切な人たちである彼等の望みを裏切ることはなさそうですが。
ていうか自分の為に代償を払ってくれたキスケさんに普通にめちゃくちゃ懐きそうだよこの子ほんとに。
でも主人公は絶対にキスケのこと兄とは呼べないし呼ばないんだよな。
こっちの湿度が低い「どこにもいかないで」も大好き
あと上でも少し触れましたが、髪色をプリセットの黄緑にしたら丁度樹木家の中間色になったりライティング次第では立ち絵のキスケの色にかなり近くなったりして、すごく良かったです。
たぶんデフォルトの色がいちばん物語に合うんだろうけど黄緑もかなり良かった。それだけは伝えたかった。
さすがに年の離れた兄すぎる
優しい闇の物語
あんなに不穏な登場人物の伏字をしておいて、まさかサザンカに至っては「カプセルトイ用コインを埋めている」だとは思わなんだろうがよ。
あまりに序盤に開示されたので後で気付いて笑ってしまった。
何やってんだお前ェっ!
確かに因習村ではあるけど、それは祟られた土地で生きていく為に八百年かけて作られてきた掟で、あるいは誰かの過去や秘密を守る為に作られた優しい闇だったりする。
その中には確かに仄暗いものもあるけれど、どの過去にも根底にあるのが誰かが誰かを想う物語だったのが、すごく良かった。
過去に死んだ青年
そして唯一の犠牲の役目を誰にも押し付けず、その小さな身体で抱え続けてきた村長がいる。
それでも彼女にとって唯一の救いだった
これがどの時期に書かれた遺言書か分からないけど、コダマは正しい贄ではなかったから帰ってくる可能性があるって前の村長の時点で分かってたんだなあ。
コマコの事件で、その正体がコダマだということに気付いていたのはキスケだけだろうけど、恐らくタタリ神と化したコダマが帰ってくる、という可能性はずっと考慮してたのかな。
もしかしたら来訪神にも主人公の監視を頼んでいたのかもしれない。
だけどリンは主人公がどれだけ深夜を徘徊しても自由に過ごさせてくれたんだよなあ。
この疑似家族も本当に好き
あとシナリオの進行に伴ってグラフィックに変化があるのも本当に良かった。きっと生きるって変わっていくってことだ。
そしてキスケさんの片目を見る度に自分の為に払われた代償を思い出して生きていこうな。
ちなみにまだ全員分のイベントを見ているわけじゃないので場合によっては追記に来るかも。
左エンドの後に響くトバリの言葉
タイトル回収エンディング































